中山広場は中国大連市中山区にある直径213mの円形広場。中山広場の周囲には20世紀前半の欧風建築が建ち並ぶ。趣きのある風景だ。
1900年代前半から現存する9棟のうち7棟が日本人建築家による設計。
建築様式は歴史主義の影響が強く、ゴシック建築やルネサンス建築を基調とする。
円形広場を中心に10本の道路が放射線状に伸びていて、大きなラウンドアバウトとなっている。
1899年、帝政ロシアは商業都市「ダーリニー」の建設を開始した。パリを手本とした多心放射状街路を持つ都市。都市の中央に配された円形広場はニコライフスカヤ広場と命名。
ポーツマス条約でロシアから大連の譲渡を受けた日本は大広場と改名。ロシアの都市計画を踏襲し、この中山広場のラウンドアバウトの周囲に当時の行政機関や銀行を集めた。
戦後、1945年11月に中国人による大連市政府が成立。大広場は中山広場と改称された。
中山広場の周りの建物は、2001年に中国の文化遺産(全国重点文物保護単位)として指定されている。
中山広場1号
竣工:1920年
旧名称:朝鮮銀行大連支店
現在の名称:中国工商銀行中山広場支行
設計者:中村與資平建築事務所
中山広場2号
竣工:1908年
旧名称:大連民政署(大連警察署)
現在の名称:遼寧省対外貿易経済合作庁
設計者:前田松韻氏(関東都督府民政部土木課)
中山広場3号
竣工:1914年
旧名称:英国駐大連領事館 ※現存せず
設計者:H.Ashead
跡地に建てられている建築物
現在の名称:大連金融大廈
竣工:2000年
中山広場4号
竣工:1914年
旧名称:大連ヤマトホテル
現在の名称:大連賓館
設計者:太田毅氏(と言われている)(満鉄工務課)
中山広場5号
竣工:1919年
旧名称:大連市役所
現在の名称:中国工商銀行大連市分行
設計者:松室重光氏(関東都督府民政部土木課)
中山広場6号
竣工:1936年
旧名称:東洋拓殖株式会社大連支店
現在の名称:交通銀行大連市分行
設計者:宗像主一建築事務所
中山広場7号
竣工:1910年
旧名称:中国銀行大連支店
現在の名称:中信銀行中山支行
設計者:中国
中山広場8号
竣工:1950年
旧名称:大連人民文化クラブ
現在の名称:同上
設計者:ベラルーシ人のナジェフをリーダとするロシアチーム
中山広場9号
竣工:1909年
旧名称:横浜正金銀行大連支店
現在の名称:中国銀行遼寧省分行
設計者:妻木頼黄氏、太田毅氏
中山広場10号
竣工:1918年
旧名称:関東逓信局
現在の名称:大連市郵政局
設計者:松室重光氏(関東都督府民政部土木課)
中心部で撮影したパノラマ画像
昼
夜
中心部
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